Vol.4  さまざまなHoliday Greetings

Thanksgiving Dayが終わると、アメリカではいよいよ本格的なホリデーシーズンに突入する。ショッピングモールは家族・親戚に贈るためのギフトを買い求める人でごった返し、郵便局といえばそれらの贈り物を郵送する人が長い列を作る。どこに行っても混雑は避けられず、こんな時期に目的もなくブラブラ出かけるのはドツボにはまるので、必要に迫られない限りは混雑が予想される場所に近づかないのが無難だ。

さて、シーズン到来と共に大抵の人がソワソワと準備に取り掛かるのがカードの送付。移民の集まりであるここアメリカには様々な宗教を持ち合わせた人がいるため、店で売られているカードもMerry Christmasの文字が入ったものだけにとどまらない。元来Christmasとは、イエス・キリストの生誕を祝うキリスト教徒のためのもので、Christmasの文字が入ったカードを例えばユダヤ教徒に送ることは大変失礼な行為にあたる。彼らにはクリスマスを祝う習慣がない。だからユダヤ教徒に送る"HANUKKAH"というカードがあったり、宗教を選ばず最も無難に使える"Season's Greetings"といった多種類のカードがあるのだ。

スタンプも毎年数種類発売されている。聖母が印刷されたキリスト教のChristmasバージョンをはじめ、ユダヤ教のHANUKKAH、イスラム教のEID、またKWANZAAはアフリカンアメリカンの間で12月26日から1月1日まで行われる収穫祭のことで、わざわざ印刷されるところをみると需要も多いのだろう。他の時期と違い、この時期はデザインだけでスタンプを選んだりすると恥をかくことにもなりかねないので、宗教的なメッセージが含まれないものを選択したい。

口頭で交わす挨拶にもHappy Holidayが多く使われるのは、やはり宗教的な背景があるからだ。そう考えると、TVや街角で"メリークリスマス"を一般用語のように乱用する我々多くの日本人は、信仰心のあつい人にとって相当違和感があるに違いない。





 最終更新日:2004年12月7日(火)
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